即ち「右手の親指、人さし指、中指を互いに直角に曲げ、人さし指を磁界の方向(B)、親指を導体の運動の方向(v)に向けると中指の方向が起電力の方向(e)を示す」ことであって、(図2・15(a)参照のこと。)これをフレミングの右手の法則という。
図2・15(b)及び(c)のように磁界中で導体が運動したときの導体の誘導起電力は紙面の裏面から表面の方向であるが、その大きさは導体が1〔s〕間に切る磁束はBlv〔Wb〕であるから、
e=Blv〔V〕……(2・10)
B : 磁束密度B〔Wb/m2〕
l : 導体の長さ〔m〕
v : 速度〔m/s〕
しかし、これは導体が磁界と直角の方向に運動した場合であって、図2・15(C)のように直角でなくθの角度で運動した場合はv'=vsinθのようになおして計算する。
よって、 e=Blv'=Blvsinθ〔V〕……(2・11)
〔例題〕磁束密度2〔Wb/m2〕の平等磁界で、これと直角に長さ10〔cm〕の導体を100〔m/s〕の速度で動かすとき、導体中に誘導される平均の起電力は何〔V〕か。
〔解〕 B=2〔Wb/m2〕、l=0.1〔m〕、v=100〔m/s〕であり、e=2×0.1×100=20〔V〕