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アルミ合金を溶接する場合、特に注意すべき事項は次のような点である。

1] 溶融温度は鉄や銅に比べて低いが、比熱・溶融潜熱が大きく、熱伝導が良いため、多量の熱を急速に与える必要がある。

2] 鉄に比べ電気抵抗は約1/4と低く、抵抗溶接では大容量の電源が必要となる。

3] 材料の表面に存在する酸化膜は、溶接に悪影響を与えるので、除去する必要がある。

4] 熱による膨脹・収縮が銅の約2倍で、溶接による歪みが発生しやすい。

5] 溶接による熱影響で母材の機械的性質は劣化(低下)する(ただし一部例外あり)。

 

表11.1 各種金属の物理・化学特性とアルミニウムの溶接特性

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11.4.1 溶加材の選定

 

溶加材には手動ティグ溶接用の溶接棒と、自動又は半自動ミグ溶接用及び自動ティグ溶接用の溶接ワイヤとがある。溶加材は、作業性がよく、健全な溶接金属が得られるよう滑らかな表面で、裂け目、擦傷などの欠陥や、ねじれ、鋭い折目などのくせのないものでなければならない。特に溶接ワイヤは、支障なく送給されるための適当な硬さも必要である。更に溶加材の表面に油や汚れなどが付着したり、湿気を帯びたりすると、これがアーク熱で分解して水素ガスとなり、ブローホールを生じる原因の一つともなるので、表面仕上げの良否も極めて重要である。

 

 

 

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