【理解のために】
I. 骨折の症状(応用編(3)25頁※22P参照)
1. 全身症状
(1) ショック−受傷時の精神的ショックと疼痛が原因。時間が経つにつれてショック状態が悪化する場合は、大出血が続いているか、内臓の損傷を考える。
(2) 発熱−骨折後数日間は38度を越えない程度の発熱がある。出血を吸収するためであり、もし38度以上の発熱や1週間以上発熱が続く場合は、感染を考える。
2. 骨折部の症状
(1) 疼痛:自発痛や運動痛のほかに、骨折部に圧痛がある。骨の長軸に沿って圧迫したり、打ったりすると、骨折部に痛みがある(叩打痛という)。
(2) 腫脹:骨折部は熱感を伴い、打撲のときよりも腫脹が強い。皮膚が強く緊張してテラテラと光り、1〜2日後に水泡を発生することがある。
(3) 変形:四肢の短縮、異常な湾曲、ねじれ、などがみられる。
(4) 皮下出血斑:受傷後2〜3日経って骨折部に見られるが、骨折部から離れて現れることもある。
(5) 機能障害
(6) れき音:骨折部を押したり動かしたりすると、骨折端が触れ合ってコツコツという音を手に感ずる。しかし、骨折の有無を調べるためにむやみにしてはならない。
II. 開放骨折の手当(応用編(3)24頁※26P参照)
III. 副木の使い方と固定するときの注意(応用編(3)26頁※35P参照)
1]骨折部の手足などの大きさに対応した、やや大きめの副木を選ぶ。
2]副木を布かガーゼ、または包帯で巻いて、固い副木が直接柔らかいからだに当たらないようにする。
3]金属製副木を患部に合せ必要な角度に曲げる。
4]固定する範囲は、骨折部の中枢側と末梢側の2つの関節を含むように範囲を広くとる。
5]皮膚と副木の間に原綿を挟んで固い副木が当たらないようにする。踝(くるぶし)部、踵部、肘部には、ガーゼで包んだ原綿(副子用綿)を挟む。
6]包帯は、きつすぎず、ゆるすぎないように、転がすようにして巻く。
7]血液循環の良否を確かめるために、手足や足指は露出しておく。
IV. ICE処置(応用編(3)80頁※36P参照)
足関節捻挫は比較的日ごろ起こしやすい外傷である。受傷したら、まず氷水などで冷却すると共に弾力帯などを巻いて腫脹を防止するのがよい。30分は少なくとも必要である。この後できるだけ下肢を高く上げておく。この氷冷(icing)、圧迫(compression)、高挙(elevation)をICE処置と呼ぶが、この前に安静(rest)を加えてRICE処置ということもある。