外傷
備え付けの医療書を調べる余裕があって、船内の手当で治療が可能な外傷もあれば、緊急入院しないと生命が危険な外傷もある。
本書では、後者を中心に、専門医の診療が必要なものを収載してある。
(注)応用編(3)00頁と記載してあるのは、外航船員医療事業団編集発行「船内における救急医療の手引−応用編(3)」の略記である。※00Pとあるのは、外航船員医療事業団発行の「Guide to First-Aid Treatment Aboard Ships (Volume II)」に記載されている所在頁である。
[外科系統]
14]切創・割創・刺創・打撲
【注意】
―血液に汚染されないために―
血液から汚染する病気には、B型肝炎、エイズ、C型肝炎、成人T細胞白血病、梅毒などがある。手当中に血液が付着したときは、流水でよく洗い落としてから、次亜塩素酸ナトリウム0.1%液に浸した脱脂綿でよく消毒する。
大きな創
〔出血、疼痛〕
1.止血 2.縫合 3.圧迫包帯 4.抗生剤 5.解熱鎮痛消炎剤
〔縫合出来ない時〕
1.絆創膏固定 2.オキシセル又はスポンゼル 3.圧迫包帯 4.抗生剤 5.解熱鎮痛消炎剤
汚染創
1.創周囲清拭 2.創内異物除去・洗浄 3.抗生物質剤ガーゼ
4.抗生剤服用(応用編(3)20頁※4〜5P参照)
大出血
1.緊縛止血(止血時間に注意!) 2.止血剤注射 3.解熱鎮痛消炎剤
指の離断
1.止血 2.圧迫包帯 3.抗生剤
4.解熱鎮痛消炎剤(離断した指は汚れを落とし、滅菌ガーゼに包み、ビニール袋に入れてしっかりと口を閉じ、氷水に浸ける。) 5.緊急入港
重症打撲(皮下出血、内出血、腫脹、疼痛)
1.冷湿布 2.解熱鎮痛消炎剤 3.症状強ければ副木固定(応用編(3)22頁※24P参照)