K君はこれまでと変わらず、学校ではサッカーの練習に夢中で、家では毎日のように友達と遊んでいます。
K君が一度も会ったこともないという亡父の兄弟たちは、児童相談所にあることで相談に行ったようです。里親の手当というものはどれくらいか、子供の生活費はどのくらい県から里親に支払われるのか、ということを聞き、私のことまでいろいろ調べたそうです。子供が赤ん坊のころから何一つしてあげたこともないくせに、まったくあきれる人たちばかりで、腹が立ちました。
また私が知らないうちにこの人たちは、K君の高校に在学証明書を取りに二回ほど行っていました。これはあとで裁判の調査官から聞いてびっくりしたのですが、子供名義の生命保険、それに年金までが、この証明書があれば好きなようにできるというのです。少しでも子供のことを考えてくれるのなら、生命保険に手を出そうとは思わないはずです。
子供ももう17歳になり、そういう事情はわかるのでしょう。もう二度とこの人たちとは会いたくないと、繰り返し言っていました。K君は大人の醜いやり方を知っていました。