日本では相当状況変りましたが、現在でもそのような人達がいます。それからしつけ親と呼ばれたり、旅親と呼ばれたり、現在の子供の関係の制度で残っているのが職親、そして里親ですね。里親というのはいろいろ由来が伝わっていますが、聖徳太子の頃からもうすでに色々な形であったという事も言われていますが、歴史的には11世紀に入ったあたりから普及したのではないかと言われていますが、当時の後一条天皇の時に藤原公任卿の息女が里に出された、里子として育てられた。これが日本では一番里子の風習が普及する背影にあったのではないかというふうな事もかなりいわれています。
そのような人達にとって生みの親、実の親、お母さんは勿論お父さんも大切な存在であるとか、大切な存在でないかという事以上に、自分に関わってくれてこれからの一生をしっかりと支えてくれるというような存在。もしその人が一番自分を愛してくれて、保護して守ってくれているとその子供が感じる人、それがここでいう心理的親という事ですよね。恐らく里親・里子関係で実際に営まれている中で、その子供達にとって里親さんが、今申し上げたような心理的親だと受け止めていれば、勿論実のお父さんお母さんがいて、その人も心理的と受け止める場合もあるでしょうし、全く里親さんを心から心理的親としてしっかり守られて生きていきたいという部分が出てくるかと思います。
従って、子供にとっては生みの親かどうか実の親かどうかというよりも、一番基本にあるのは心理的親かどうかという事かと思います。どうやら歴史の流れは、一番今迄の子育ての歴史の中で、そのような誰が子供を育てる上で貴重な存在かという時の回答、選択肢として圧倒的にそれは親に決っている。つまり実の親ですね、貴女のお父さん、お母さん、子供のお父さん、お母さんというふうに受け止める社会の仕組や考え方が一番この20世紀に普及したといってもいいでしょう。
先程申し上げましたように子供の歴史を見れば見る程、それ程迄に実の親の重さ、特に具体的に言えば自分が責任を持って育てなくてはならないというこの責任感、負担感ですね。これを集中して実の親に思いを強くさせてしまう社会的な意識や環境が出てきたのは決して古い事ではない。ある意味では私も、今、更に21世紀に入ってどんどん家族関係が変り、地域社会が益々もっと変化していく中で、例えば一つの社会的な意識として男は仕事、女は家庭という言葉が日本ではかなり強く受け止められますが、そのような事が本当に重視される時代というのは意外と早く過ぎ去るのではないか。
たかだ100年か150年かも知れないと思っている一人です。それ程現在は核家族化されて、家族の規模も小さくなって、地域との関係も少なくなっていますから、必然的に実の親と子供、とりわけ母親と子供の関係にどんどん収斂していかざるをえない状況があります。その事が逆の意味で、今何故子育て支援が必要かという事をかえって裏打ちするような状況になっていると思います。
IIに少子社会で高まる子育て支援の指向という所を4つ程項目を挙げていますが、御承知のように日本の少子化は、世界でも類をみない早さとその質的な様相をみせて進んでいますね。
昨年度の「合計特殊出生率」もう殆どこれは一般によく使われるような言葉になりましたね。このような合計特殊出生率等というのは極めて専門的な用語で、以前殆ど関係者しか知らない言葉だったんですが、今や一人の女性が、生涯に亘って生むと予想される子供の数という事ですっかり定着しました。
どうも1.38迄下ったという事で、これから少し第二次ベビーブームの時に生まれた方達が結婚し、子供を生む事がようやく遅ればせながら少し増える時期ですから、やがて一回その少子傾向が、数の上ではくい止められるでしょうけれど、その後はどんどん減っていきますね。