又、小淵総理大臣も挨拶の中で国政の基本を5つの架け橋とこのように説明されている訳でございますが、少子化の対応は安心の架け橋を築いていく為に非常に重要である。家庭や子育てに若い人が夢を持ち、希望を実現していく為の環境整備は、社会全体で取り組むべき重要な課題であり、各界からの参加を得てこのような国民会議を開催した。このように主旨を述べられた後に、先進国のサミットがケルンで行なわれた際に、北欧首脳との会議におきまして、北欧の人口問題や子育ての状況につきまして首脳と意見を交された事も述べられまして、少子化問題に積極的な姿勢を示されているという事でございます。
国民会議は現在各団体の若手、中堅の職員の参加を得まして「幹事会」というようなものを設置致しまして、提言の中でそれぞれの団体が中心的役割を担う事を期待されている部分について検討が行なわれております。何れに致しましても今年末に策定されます基本方針等を踏まえて、政府としても積極的に取り組んで行きたいと考えているところでございます。
次に児童を巡る大きな問題と致しまして、最近児童の虐待が大変増えて大きな問題となっております。児童虐待につきまして、相談件数は平成4年に1,372件でありましたものが平成9年では5,352件、5年間で約4倍にも脹れ上がっている訳でございます。児童虐待は様々な要因が複雑に絡んで発生すると言われておりますが、特に最近では都市化核家族化が進行する中で、子育てを担う親の孤立の問題が深刻化していると言われております。
かつては家族が同居しましてお互に家事や子育てを分担し合い、地域社会におきましても相互扶助機能が強く存在し、親に事情がある場合は、家族や近隣同士が子供を一時的に預ったり、或は若い親に助言をしたり、お互に助け合う事が一般的でございました。
しかし、最近では新興住宅やマンション等の生活でありまして周囲から孤立した生活となっており、この結果子育てについて誰にも相談できないで不安や負担を感じている親が増えて、このストレスが児童虐待の直接的間接的な要因になっているという事でございます。現実に電話相談等に携わる相談員の相談事例を見ましても、最近の親は育児書等における画一的な知識のみで、子供の時期から身近に子育てに接する機会も乏しく、実際の場面での子供にどう接していいか分からない。こういう親の実態が浮きぼりになっているという事でございます。
子供への虐待はあってはならない事でありまして、早期における対応が極めて重要であると考えておりまして、家庭という個人の生活の場で発生する問題でありますので、対応につきましても大変難しいものがある訳です。このような問題の発生を防ぐ為には、やはり地域の近所同士の助け合い等非常に大切でございまして、早期の専門機関への通報等のネットワーク体制整備が望まれている訳でございます。
厚生省と致しましても今年から児童虐待を防止する地域住民の啓発ビデオの作成でありますとか、或は児童相談所が中心になりまして主任児童委員さん等の研修を行いまして研修を終ったものを児童相談所に登録する事等によりまして、地域の連絡網を整備する等の基盤整備を図る事としているところでございます。
さらに市町村レベルでの取り組を強化推進する為に来年度の予算要求におきましても保健、福祉、医療、警察等の児童虐待の防止に関わる関係機関の市町村ネットワーク事業の実施を要求しているところでございます。
又、戦後の法制定以来維持してきました福祉制度の基本的な枠組につきまして、21世紀の少子高齢化社会に相応しい福祉制度に再構築する為のいわゆる社会福祉基礎構造改革が現在検討されている訳でございますが、その中で児童虐待等に迅速に対応する為に児童委員に関しての児童福祉法の改正が予定されているところであります。