6. 合成洗剤の使用・唐津湾海域の汚染(S40代中頃〜)
二丈町では下水施設が整っていないため、生活排水はそのまま川などの排水体系に流れ込みそのまま海へと流れていくことになる。〔二丈町勧業課〕これが海の富栄養化等につながり水質の悪化や「磯焼け」、また砂の汚染等を発生させる。〔福岡県海洋技術センター杉野氏〕
海流や、砂浜と集落との地理的な位置関係、二丈町の砂浜の現状等から考察すると、この事象が主な「鳴き砂」の浜へ影響を及ぼしている要因の一つであると考えられる。
唐津湾西部にある玉島川や松浦川から流れ出るゴミや汚水が鹿家海岸近辺にいったん溜まり、それが姉子の浜にも流れ込む。特に昭和30年代の貨物船やタンカーの座礁、唐津の石油貯蔵タンクから流れ出る油が、海藻にべったりと付いていたのが認識されている。平成に入ってからはよくなってきている。
7. ゴルフ場開発(S47.12〜49工事)
姉子の浜の後背地における開発事業としては最大のもので、開発時の造成に伴う赤土の流出がみられた。このことは当時、鳴き砂に対して鳴かなくなるマイナス要因の一つとなったと考えられる。また浜と後背地の山々との間に位置することから、本来砂浜に供給されていたであろう砂がゴルフ場によって(排水路の暗渠化など)遮断されるようになったとも考えられる。
また直接的な関連性ははっきりしないが、芝生等に用いる農薬などが砂浜や海に流出していると考えられ、この影響も危倶される。
8. ホテル建設(S39〜44年頃)
ホテル用地の造成に伴う土砂の流出や、ホテル営業中(1-2年程度)の排水の流入による砂浜の汚染が考えられる。またこの辺りは元々、砂丘状の砂浜であったが、この事業に伴い砂取りが行われ、建設業者へ売却された。