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石川サテライト会場

「温泉地の魅力創出―今、温泉地に求められているもの」

 

石川サテライト会場は「温泉地の魅力創出―今、温泉地に求められているもの」をテーマに、11月18日石川県の金沢ニューグランドホテルでフォーラムを行い、19日午前中に長町武家屋敷跡、ひがし茶屋街を視察しました。フォーラムは主催者を代表して杉本勇壽石川県副知事があいさつしたあと、「石川県における温泉地の現状」について、安田慎一石川県観光推進総室長が事例報告。引き続き安島博幸立教大学観光学部教授がコーディネーターとなり、竹村節子(株)現代旅行研究所専務取締役、麦屋弥生(財)日本交通公社地域調査室長による基調鼎談が行われました。これを踏まえ、安島教授をコーディネーターとしてWAC委員と各県専門委員による討議・意見交換が進められました。会議は専門委員から北陸の温泉地の厳しい実態と、それを乗り越えるための地元の取り組みについて報告されました。これに対しWAC委員から、新たな観光ニーズや温泉地の魅力創出、情報提供のあり方など、多くの提案がなされ、こうした意見を安島コーディネーターはこれからの北陸の温泉地に求められていることとして、つぎの6点にまとめ、総括しました。

 

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会場風景

 

1]地域資源の再創出・再発見については、温泉そのものの魅力を見直して一層の活用をはかる。それと資源の発掘、伝統工芸などの技をもっている人材を掘り起こす。そして地域づくりを担うリーダーの育成が重要。

2]広域連携観光においては、温泉地同士の連合・連携や周辺観光地とのネットワーク化、それを生かす域内交通の充実が必要。

3]新しい観光スタイルヘの対応として、これまでの温泉旅行から、癒し、健康、文化等を求める旅に変わってきている。旅行者層も高齢者、女性客、家族が増えており、料金体系や料理の面からの工夫が必要。

4]国際化への対応では、アジア諸国からの誘客促進、外国語による案内標識、パンフレットなどの整備、もてなし方の検討が必要。

5]祝日3連休化や公立学校の週5日制など、休日・休暇に対応した体制づくりが必要。

6]情報発信の強化にはインターネットの活用等メディアミックスが重要。

 

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コーディネーター

安島博幸氏

 

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ゲストパネラー

竹村節子氏

 

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ゲストパネラー

麦屋弥生氏

 

事例報告

「石川県における温泉地の現状」

安田慎一 石川県商工労働部観光推進総室長

 

本県には60ヵ所ぐらいの温泉地があります。主要な温泉地は、北の方から能登半島七尾市の和倉温泉、金沢郊外の湯涌温泉、加賀温泉郷には粟津温泉、山代温泉、片山津温泉、山中温泉があり、この6つの温泉地で本県入り込み客約2,100万人の2割強を占めております。

こうした旅館、温泉地が旅行者のニーズの変化に対応するため、家族やグループ向けの会食場や個室の露天風呂あるいはお昼の食事・風呂などのプランが実施されているほか、複数旅館の湯巡りや温泉手形の発行、あるいは空店舗を利用した工芸体験、さらにはチェックアウト時間を遅らせたり、名産品の試作なども行われており、個々の旅館にとどまらず、温泉地全体としても取り組んでいるところであります。一方、こうした取り組みに対し、行政はハード・ソフト面の支援として、資金融資や保証制度の実施、温泉地まちづくり計画策定準備事業や、モデル的な事業に対する応援などにより、魅力づくりにつなげていきたいと考えています。

 

 

 

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