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<道内各地の民間企業>

道内各地の宿泊施設、観光施設、運輸機関、旅行会社、土産物店等の個々の企業は、台湾人客に対してサービスや財貨を提供している。

 

2]台湾側バイヤー

<航空会社>

・日本アジア航空

ナショナル・フラッグキャリアの日本航空(以後「JL」と称する)が日本〜台湾路線を運航できないため、子会社の日本アジア航空(以後「EG」と称する)が台湾に支社・支店を置き、成田、名古屋、関西空港、那覇路線に定期便の運航を行っている。

・中華航空

1959年に創立され、台湾で最も古い歴史があり、最大の航空会社である。台湾と羽田、名古屋、福岡、那覇の各路線に定期便を運航している。(以後「CI」と称する)

・エバー航空(長榮航空)

1991年に、国際的海運会社エバーグリーンより創立された台湾第2の国際線航空会社である。1994年12月に台北〜福岡線の定期便就航で初めて日台路線に進出し、1998年4月には、台北〜関西空港路線の定期便を就航した。世界各地への国際路線を急速に拡大してきた。(以後「BR」と称する)

<旅行会社>

主にホールセラー、ホールセラーの造成した旅行商品を代売する旅行代理店、自社の造成した旅行商品を消費者に直接販売するリテーラーの3種類に分類される。しかし、純粋なホールセラーは極めて稀で、通常ホールセールとリテールの両方の機能を有している。各航空会社には、自社の座席を優先的に配分する複数の系列旅行会社がある。大手のホールセラーの中には、複数の航空会社の系列旅行会社になっているものもある。

 

(4) 情報源

マーケティングの諸活動等に関する情報は、日本観光協会台湾事務所、道観連、日本アジア航空をはじめとする各観光組織からの聞き取り調査や統計・文献資料から収集した。

 

II. 北海道のデスティネーション・マーケティングの展開

 

北海道のデスティネーション・マーケティングの時期は、観光組織によるマーケティングの取り組みの変化、台湾人客数の推移(表4)等により、大きく3つに分けることができる。

 

1. マーケティングの立ち上げ [1995年4月〜1996年9月]

 

(1) 日本アジア航空(EG)による北海道路線への切り替え

1994年に入り、ハウステンボスを中心として九州ツアーによる送客が本格化していた。この九州ツアー販売の先駆者は、九州への直行定期便路線を持たない日本アジア航空(EG)が中心となって組織した旅行会社14社のコンソーシアムであった。その後、シーガイア、スペースワールド、ハーモニーランド等のテーマパーク巡りツアーが人気を集めるにつれ、福岡への直行便を運行するCI、BR、キャセイ航空(CX)の競争力が高まった。

 

 

 

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