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添付資料 ISO 8846翻訳JIS草案

 

日本工業規格(案)

舟艇−電気装置−可燃性ガスからの点火保護 

 

Small craft - Electrical devices - Protection against ignition of surrounding flammable gases

 

JIS

F XXXX:20

(ISO 8846:1990)

 

序文 この規格は、1990年に発行されたISO 8846,Small craft-Electrical devices-Protection against ignition of surrounding flammable gasesを翻訳し、原国際規格の技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお、この規格で点線の下線を施してある事項は、原国際規格にはない事項である。

 

1. 適用範囲 この規格は、舟艇で使用する電気装置が周囲の可燃性ガスを点火させずに爆発環境下で作動できるようにするための試験方法及び設計要件について規定する。ただし、JIS 0930の規定による耐圧防爆又は防爆の電気器具を要求するものではない。

この規格は、水素と空気の混合気体中で作動する機会がある製品又は部品の点火防止手段を扱うものではなく、試験中装置に関係ない静電気、落雷、その他の外部の要因による点火機構を扱うものでもない。

 

2. 引用規格 次に掲げる規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格はその最新版を適用する。

JIS C 0930 電気機器の防爆構造総則

備考 IEC 60079-0 Electrical apparatus for explosive gas atmoaspheres. Part 0: General requirements. Amendment No.1(1987),Amendment No.2(1991)からの引用事項は、この規格の該当事項と同様である。

JIS C 0935 電気機器の本質安全防爆構造

備考 IEC 60079-11 Electrical apparatus for explosive atmospheres. Part 11: Intrinsic safety “i”.からの引用事項は、この規格の該当事項と同等である。

 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は、次による。

 

3.1 可燃性炭化水素混合物(flammable hydrocarbon mixture):プロパン及び空気が爆発下限(LEL)と爆発上限(UEL)との間の割合(容積百分率)にあり、何らかの手段で点火すると爆発する混合物。プロパン及び空気を使用して行う試験は、船舶用の燃料と空気の混合物で、LELとUELとの間にある混合物を扱うものと考えられる。

 

3.2 点火保護装置(ignition-protected device):4.に示す試験プログラム要件の1つに合致する装置。

 

3.3 点火源(ignititon source)

a) 点火させるだけのエネルギーをもつアークを発生させるおそれがある全ての電気接点、整流子若しくはブラシ装置又は集電管及びブラシ。

b) 可燃性混合物を点火させるのに十分な温度で作動する可能性がある抵抗器その他の部品又は表面。

 

3.4 正常の作動状態(normal operating conditions):装置の作動状態のうち、定格電流の400%までの最大可能負荷状態(回路遮断器、スイッチその他の類似物)及び製品の製作者が規定する過電流保護装置で保護された回路をもつモータのロータ停動状態を含む全ての作動状態。

 

4. 試験プログラム

 

4.1 外表面温度試験は、5.によって行わなければならない。

 

4.2 作動中に火花又はアークを発生するおそれがある電気装置(スイッチ、リレー、発電機、ヒューズ、配電器、スタータなど)は、密閉されていると見なすことができる場合5.によって、又は密閉されていない場合には7.によって試験をしなければならない。

 

4.3 作動中に外表面の周囲温度より100℃以上高くなる電気装置は、5.によって試験をしなければならない。定格が連続運転でなく、かつ、瞬時に作動するスイッチと接続されているエンジンのスタータのような電気装置、推進装置トリムモータ及びその他の間欠運転装置についてはこの試験は行わない。

 

5. 外表面温度試験

 

5.1 電気装置を、初期温度60℃±2℃の密閉防熱した空気循環式の炉の中に置く。炉中に置いた装置の発熱のほかに適切に熱を加え、炉の中の温度を60℃±2℃の一定温度に保持する。

 

5.2 試験の電源電圧は、温度上昇を最大にするよう、装置の呼び電圧の80%から120%までの範囲で調節を行う。

 

 

 

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