その方は、知識というよりも、心情的にわかってもらえた、こころがわかってもらえたということがわかったということなのではないでしょうか。こういう方には共感するという言葉が最適といえるでしょう。その方の身になって感じることが「わかった」なのですから。
行動型の人には、指示をすると安心する。何かをしていないと不安になり、何かをしていると安心できる。こういうタイプの人とは、一緒にやっていく姿勢というのがわかってもらえたという安心につながっていく。
別の見方をすると、相手のこころに入りこんでいくには3つの扉がある。どの扉を叩けばその方がこころを開いてくれるか。どのタイプでも正確な情報を得るということは必要です。そしてどのタイプでも最終的には精神的な悩みや動揺について自分で知り、自分で対処することが必要となってくるのです。そしてそれを行動につなげる。医療従事者としては相手にはどこから入っていけば3つのバランスがよくとれるようになるかということを考え、それに達する最初の入り口はどこかということを3つのタイプから選んでみることが必要でしょう。
違ったタイプに間違ったアプローチをしてしまうと、わかってもらえないというように思われがちです。そうなりますと、当然コミュニケーションは成立しにくくなります。自分はどういうタイプかということがわかっていますと、判明することがたくさんあります。たとえば自分の得意なアプローチの仕方で(思考型)これだけ説明しても、「わかりましたか?」と聞くと、相手は変な顔をする。