実は現場で見逃されがちなのは、不安になるのは患者だけではない。関わる医療スタッフにもいろいろな不安があるということです。
自分がどういう場合に不安になるのかということと、自分の不安と対処する方法を知っているということが患者と関わる上でとても大事だと思います。「自分は全部できるから不安はないわよ」というふうに強がっている人の裏側には、ひょっとして自分が間違っているのではないかとか、知らないことがあるのではないか、関わりがうまくいっていないのではないかというような不安があってむしろ当然だと思うのです。実は、不安というものがあるからこそ、人は進歩するのだという考えもあります。ただ、それがあまりに大きすぎてそれに圧倒されてしまいますと、それこそ手も足も出なくなって打ちのめされたという形になってしまうのです。不安を感じやすい方もいますし、一方、何があっても大して動揺しない方もいます。何に対しても不安になってしまう方、それからある特定のものやことに対してだけ不安を感じるという方など、いくつかに分けることができます。
こころに入りこむ3つの扉
それまでの生活や性格ということも考えて、不安を3つに分けてみようと思います。
よろしければ目をつぶって、あなたが部屋に1人でいることを想像してください。