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シャーマニズムというと、何か次元が低いように思いがちだけれども、多くの人はまだこのようなシャーマニズムの助けを得ようと思っている、病院にかかっていながらも、現に助けを求めているのだということを見つめてもらいたいというのがその講演の結論でした。

 

ボランティアのもつ意味

 

なぜ私がこのような話をここで紹介したかというと、実はボランティアというのがその意味で非常に大きな役目をもっているのではないかと思うからです。たとえば患者さんにとっては、医者は病気を治してもらうためにある、苦痛をとってもらうためにあるというわけで、医者や医療者への目的意識がきちんとしている。その目的を達成してもらうためには、患者さんや家族はある意味では受け身あるいは下位にある、情緒の面で劣位にある。患者さんというものは自己本位になっているからだという見方もありますが……。そこで医者やナースのご機嫌を損じたくなかったり、こう言うとまずいのではないかと気をつかったりすることになります。まだ痛いのに、医者の前では「かなりよくなりました」と言ったり、眠れなかったのに、「少しは眠れました」と言ったりする。そういう取引をしながらの対応をするわけです。しかし、ボランティアに対しては、患者さんはそういう対応をしないですむのです。それからボランティアのほうも、そういう意味での責任性をもたないで対応しているわけですから、両者は同じ平面にあるということでしょう。これが、私はボランティアの意味として大切なのではないかと思います。

 

 

 

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