確かに、日本においてもボランティアの活動はなくてはならない存在になっていくだろうと思います。これは阪神・淡路大震災も大きく影響しているかもしれませんが、医療の中でのボランティアについては、みなさんもご存知のように日野原先生が20年以上も前から取り組んでこられました。たとえば血圧測定指導とか、最近では模擬患者の養成コースまでやっておられ、たいへん広いボランティアの養成と実践を展開しています。とくにライフ・プランニング・センターのピースハウスホスピスでは、ティータイムのサービスあるいは車椅子を押して患者さんに富士山を見せたり、あるいは音楽を聴かせたり、また病院バスの運転や手芸その他のアートプログラムのはたらきなど、レギュラーメンバーとしては60人くらいのボランティアがそれらに関わっておられます。そういう意味で実際的なはたらきがすでになされているわけです。
さて、ホスピスにおられる患者さんやご家族は思いもかけないような重大な病気に遭遇して、不安や悲しみや絶望の中にあることは、どなたも想像しうることです。悲しみの中で、人は、他からの思いがけないはたらきで心が解放されることがあるといわれております。それは癒しといってもよいでしよう。それは人からのこともあり、花や空や風景や、あるいはもっとはるかな大きなものからのこともありましょう。
今日は、ボランティアのはたらきとそのような癒しとを結びつけて話すようにいわれたのですが、確信をもってお話しできるわけでもありませんが、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。