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3月9日(火)

 

○本日のスケジュール・内容

JICAマニラ事務局訪問

University of Philippines,ManilaとPhilippine General Hospitalを見学訪問

 

午前:JICAマニラ事務局訪問

JICAマニラ事務局は近代的なビルのフロアにあった。まず98年6月の大統領選挙、建国100周年、アジア通貨危機など最近のフィリピン事情について説明を受けた後、JICAが関わっているフィリピンの開発援助についてお話があった。

フィリピンでは国家開発計画が立てられ、ラモス前大統領によるスローガン「フィリピン2000」が町のいたるところで掲げられている。一人当たりのGNPも$1000を超す目標が既に達成され、現在$1200弱となっている。エストラーダ大統領の以前に、「plan21」という開発指針が立てられたが、これは全てのセクターに総花的という批判もある。開発を担っているのはNEDA(国家経済開発庁)であり、Social Reform Agenda(社会開発アジェンダ、貧困州を定め、重点的に開発援助する)、農地改革(小作人に土地を与える。しかし、この国はボスが引っ張る傾向にあり、いきなり土地を渡されても維持できないため、サポートが必要)、Local Government Cord(地方分権、医療セクターが一番進んでいる)といった方針が立てられている。

援助に関しては、NEDAが援助のスクリーニング的存在であり、かつては地方自治体が勝手に外国と交渉できないことになっていたが、これにより各自治体が自由に各ドナーに援助を受けてもいいことになった。しかし、日本からの援助に関しては、ドナー側である日本は、GG(政府対政府)ベースのため、保健省−NEDA−外務省−日本政府という流れが必要だという。

 

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JICAマニラ事務所訪問

 

最近の問題点としては1997年11月に各省庁の予算は一律25%カットになったため、今やっている事業は続けられるが、新しく始めることは困難であること、保健医療セクターは余りにも速やかに地方分権が進み過ぎているため、DecentralizationではなくRe-centralizationが必要ということなどがあげられた。

 

 

 

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