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2. 結果

 

A. 各村落の小学校児童のELISA陽性率

表16にMalabo小学校(Malabo)、San Narciso小学校(San Narciso)、San Pedro小学校(San Pedro)、Malayas小学校(Poblacion III)児童のELISA陽性率を示す。対象児童は1年生から6年生までの男女である。尚、Malabo小学校、San Narciso小学校、San Pedro小学校については派遣専門家の松田、松本により1997年、1998年に調査された成績であり、Malayas小学校については1999年の検査結果である。これらの結果をもとに、Malaboは高度罹患率村落、San NarcisoおよびSan Pedroは中等度罹患率村落、Poblacion IIIを低罹患率村落として分類した。

 

B. 各村落の1999年の受診患者の超音波画像所見別実数及びその百分率

表17、表18、表19に各村落の1999年の受診患者の超音波所見を男性、女性、男女合計の実数及びその百分率で示した。カッコ内は百分率を示し、25%を超える超音波所見のところを網かけとした。以上より男女ともType1が最も多いが、男性患者群においてはSan NarcisoとSan PedroでType3を呈する患者の割合も多いことが伺われる。一方、女性患者群においてはSan Pedro及びPoblacion IIIではType0の症例の比率も高い。

 

C. 1996年〜1999年の期間内に超音波画像所見がType1、2からType3に悪化した患者群

表20に各々の村落で1996年〜1999年の調査期間の間にType1、2からType3に悪化した患者の一覧表を示す。Malabo(男性5名、女性2名)、San Narciso(男性1名)、San Pedro(男性7名、女性1名)、Poblacion III(男性3名、女性2名)の合計21名(男性16名、女性5名)である。年齢別にみると10歳代2名、20歳代0名、30歳代3名、40歳代6名、50歳代3名、60歳代6名、70歳代1名であった。

 

D. 1999年の検査でType3を呈した患者のうちの悪化群と不変群

表21に本年度の超音波検査でType3を呈した患者の中で1996年から1998年の超音波画像と比較して悪化した群(Type1、2からType3に悪化)と変化の見られなかった群(Type3からType3)を示す。各々の村落名、年齢、再感染リスクの程度、治療歴、ELISA値を示す。

悪化群14名(男性11名、女性3名)、不変群11名(男性11名、女性0名)で合計25名(男性22名、女性3名)であった。年齢についてみると悪化群は50.79±12.73歳、不変群は49.45±15.10歳で著明な差異は認められなかった。年1回以上の治療を受けている患者でも悪化している症例があり、また1999年の検査時点ではELISAが陰転している症例(No.221、No.252)も見い出された。また、不変群についてみるとNo.104の患者の様に1991年以降15回の治療を受けている症例でもType3のNetwork patternには変化が見られないことを確認した。

 

 

 

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