資料:(株)富士通総研資料
(資料の説明)
「情報化投資比率の日米比較」は、富士通総研「情報化投資の経済的影響に関する定量的分析調査報告書」によっている。この報告書では、情報化投資額の算出に、日本については、産業連関表の基本表(総務庁)と毎年の延長表(通商産業省)が、アメリカについては、「国民所得および生産物勘定」の「情報処理および関連機器」(商務省経済分析局)が用いられている。
4 情報化のその他の側面
(1) 電子商取引と生涯学習
インターネットを利用した電子商取引(EC)は、種類も規模も今後急速に増大していくものと予測されている。消費者の立場からみると、次のようにさまざまな種類がある。
1] ネットワーク取引:商品の販売(ネットショッピング)、インターネット銀行、インターネット株取引、チケット予約、旅行予約
2] コンテンツ(情報の中身)の販売:「電子書籍」・「オンライン雑誌」、音楽ソフトのネット配信、映像のネット販売
3] コンビニエンス・ストアの活用:電子商取引、金融のための情報ネットの拠点となる。
このような電子商取引の環境整備のため、「電子署名」に押印なみの法的効力が認められ、電子署名の有効性を認証する「電子認証」の制度が設けられる。
また、電子商取引以外に、生涯学習に活用するため、「電子図書館」(オンラインで閲覧)、「電子美術館」、「電子博物館」(収蔵品のデジタル化)が構築されつつある。
(2) 通信料金の日米比較
日本でインターネットの普及を妨げている要因として、従量制で料金が高いことがあげられる。アメリカでは定額制が定着し、しかも、料金が安い(月額20ドル程度)。日本でも、低料金の定額制にすべきだという意見が強く主張されている。
5 情報化の「影」の部分
インターネットの普及など情報化の急速な進展は、一方で「ハイテク犯罪」などの暗い影の面をももたらしている。
(1) 「ハイテク犯罪」ほかインターネットに係わる不正又はこれによる被害には、次のような形態がある。
・個人情報の流出など、本人の予期しない形での利用、漏洩、窃用
・違法・有害情報との遭遇(わいせつ図画など)
・不正アクセス(ID・パスワードの盗用など)
・詐欺、不正な著作物利用、名誉棄損、劇薬・武器などの売買
・コンピュータ・ウイルス被害
・国の省庁や地方公共団体などの公的機関や企業・金融機関など基幹システムに不正に侵入してデータを破壊する「サイバーテロ」
(2) 警察庁を中心に「ハイテク犯罪対策」が進められている(「ハイテク犯罪対策重点推進プログラム」)。他方、「不正アクセス禁止法」(略称)が制定された。そのほか、私的レベルの個人情報について保護法の制定が検討されている。
※「不正アクセス禁止法」=不正アクセス行為の禁止等に関する法律