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"運動会型まちづくり"

うらがまちづくり推進事業とは?

漆崎 惣章(福井市市民生活部生活文化課主幹)

 

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福井市中心部

 

福井市の概要

 

福井市は、福井県の北部、旧越前国のやや北西部に位置し、面積は340.60km2、人口は25万4千、福井県の県都であり、政治のみならず産業・経済・文化の中心都市でもあります。

市域は、西は越前加賀海岸国定公園として美しい海岸線を誇る日本海に臨み、市街地が位置する中央部はコシヒカリのふるさと福井平野、そして東は白山山系に連なる山並みが広がる、海、里、山の“豊かな自然”と越前ガニ、越前雲丹、越前そばに代表される“豊かな産物”に恵まれた土地柄でもあります。

またその歴史も古く、この越前(こしの国)が日本の歴史に登場するのは今を去ること1400年前、この地にあって治水事業に、産業振興に取り組まれた第26代継体天皇の時代まで遡ります。そしてその後の長い歴史で特筆されるのは戦国大名朝倉氏の本拠として栄え、はなやかな戦国史にその1ページを刻んだこと、さらには江戸時代には徳川家康の次男秀康を初代とする越前松平家の城下町として栄え、幕末期には第16代藩主松平春嶽や橋本左向等の英傑を生んだことなどがあげられます。

 

今日までのまちづくり

 

市としての歴史については、市制が施行された明治22年から110周年を数え、本年は記念すべき年にあたりますが、これまでには幾多の苦難を乗り越えてきた歴史があります。太平洋戦争中には空襲、戦後には福井大地震という未曾有の災害に、また度重なる水害、雪害にも見舞われるなか、「不死鳥福井」を合言葉に一貫して都市基盤整備事業を進めた結果、毎年の「住みよいまちランキング」では常に上位を占める“常連都市”として、本市のまちづくりは高く評価されてきました。

しかし、近年の市民生活における価値観や生活様式の多様化に伴ない、市民の日常生活は「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める生き方へとその志向を強める一方、バブル崩壊から緊縮型財政を余儀なくされるなか大きなうねりとなって押し寄せて来た地方分権の潮流に対して、本市も他自治体同様、大きな変革をもってあたらなければならない状況となってきました。

「物の時代から心の時代へ」「ハードからソフトヘ」なと政策が大きく転換し、市民参加の推進、市民との協働が叫ばれる時代にあって、生まれるべくして生まれたのがこの『うらがまちづくり推進事業』であると言えます。

 

事業の誕生―"運動会型"とは?

 

この『うらがまちづくり推進事業』は、施政方針の柱の一つとして「市政への市民参加の推進」を掲げる本市にとって特に重要な位置を占める事業ですが、本事業を行なうことになった発端は、平成6年3月に行われた市長選挙の際、現酒井哲夫市長が「市民参加によるまちづくり="運動会型"の市政運営」を提唱したことに始まります。

本市においては、市内の43地区(おおよそ小学校区単位)で小学生から高齢者までが一堂に会して「地区体育祭(運動会)」が例年、開催されます。

 

 

 

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