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その中で・特に・少子・高齢社会において、地方団体が提供すべき行政サービスの量は着実に増えていくことから、このサービス供給を支えるという観点からも、強く、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系が求められるところである。

以下、地方税の現状を振り返りつつ、関連するいくつかの税目における今後のあるべき方向性について言及する。

 

(1) 地方税の現状

1]所得・消費・資産別

地方税の1998(平成10)年度決算では、所得課税が約17兆円、構成比47.2%、消費課税が約7兆5千億円、構成比20.8%、資産課税等が約11兆5千億円、構成比32.0%となっており、所得課税が半分以上を占めている状況にある。

所得・消費・資産等の税収構成額の推移を見ると、個人所得課税については、1980(昭和55)年度に4.4兆円であったものが、1997(平成9)年度には10.6兆円となっており、また、法人所得課税については、1980(昭和55)年度に4.7兆円であったものが1990(平成2)年度には10.9兆円まで伸びているが、2000(平成12)年度には6.5兆円(当初見込額)と1985(昭和60)年度と同様の水準にまで落ち込んでいる。

消費課税については、1965(昭和40)年度に地方税の24.3%を占めていたが、その後減少し、1989(平成元)年度の消費税導入時には、電気税、ガス税等が廃止され、料理飲食等消費税が特別消費税になる等廃止統合されたことにより大幅に落ち込み平成2年度で12.3%、4.1兆円となった。その後、地方消費税が導入されて1997(平成9)年度に5.8兆円、16.1%、2000(平成12)年度には、7.5兆円(当初見込額)、21.1%と増加してきている。

資産課税等については、固定資産税を中心としており、安定的に伸びている状況にある。

 

 

 

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