この制度は、建物は京都市が建設し、京都市の保育所とするが、管理運営は、初めから民間で行ってもらうことを前提としている。そのため、施設を建設しても、市の職員として、保育士等の職員を増員する必要は生じるものではない。そして、この制度による公設民営保育所第1号として、京都市上京区の、宗教法人超勝院境内に、昭和40年4月、京都市上京保育所が乳児60名の定員で開所された。
また、京都市独自の住民の参加による運営委員会方式の保育所が、昭和45年6月に、西野山保育所及び西七条保育所として開設され、その後順次開設されるようになる。運営委員会方式の保育所とは、公設の保育所の管理運営を、地元の学識経験者、民生児童委員、社会福祉事業関係者等により構成する当該保育所の運営委員会に委託する方式の保育所である。
3 委託内容
委託する事項は、当該保育所の管理運営であり、具体には次のとおりである。
(1) 保育所を、その設置目的に従って利用に供すること。
(2) 保育所の施設並びに設備の維持管理に関すること。
(3) 委託された業務を執行するために必要とする物品の調達に関すること。
ただし、保育所の施設並びに設備の現状の変更を伴う修繕及び模様替えを行う場合は、予め京都市の承認を受けることとしている。
また、保育所の入退所の決定は委託を受けた者が行うことはできず、市の福祉事務所が行っている。
委託の契約期間は1年間としているが、契約期間満了の日6箇月前までに、当事者の一方から別段の意思表示がないときは、更に1年間延長するものとし、その後も同様としている。
4 委託団体
京都市保育所条例では、「保育所の管理は、市長が適当と認める公共的団体に委託することがある」と規定しており、従来は、前述のとおり、当該公設民営保育所の設立に関与した地元の団体等に委託してきた。
平成9年10月からは、契約の透明性及び妥当性を確保するため、本市の「社会福祉法人認可及び社会福祉施設整備補助等審査会設置要綱」を施行し、この要綱に基づく社会福祉法人認可及び社会福祉施設整備補助等審査会の審議を経て、該当団体と委託契約を締結している。