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公設保育所の管理運営

1 概要

保育所は、両親が共働きしている等のため、保育に欠ける状態にある児童を、日々保護者の委託を受けて保育することを目的とする児童福祉法に基づく施設である。

保育所は、運営主体の面から、公営保育所と民営保育所の2種類に分けられる。京都市には、平成11年4月現在、公営保育所が32箇所(定員2,535人)、民営保育所が219箇所(定員21,150人)設置されている。このほか、保育に欠ける乳児(産休明けから3歳未満)を、昼間、個人の家庭での家庭的雰囲気の中で保育する「昼間里親」という本市独自の制度(昭和25年11月から実施)があり、この昼間里親が36箇所(委託児童定員数370人)ある。

民営保育所219箇所のうち、京都市が施設、その運営を社会福祉法人等に委託した公設民営方式による保育所が36箇所ある。施設の規模は、個々により異なり、定員は60名〜180名である。この公設民営の保育所は、京都市保育所条例に定める京都市の保育所(公の施設)であるが、施設設置後に行政改革等により民間委託をしたものではなく、施設の建設当初から、運営は民間が行うことが予定されていたものである。

2 沿革

昭和27年当時、京都市内の既設保育所は102箇所で、約7000名が入所していたが、希望者の全員が入所することはできない状態にあった。

そこで京都市では、社会福祉施設の急速な充実を図るため、昭和27年8月に「勧奨交付金」制度を創設し、保育所を新設しやすい条件を整えることにより、15の保育所(民営)を新設することができた。

また、昭和35年頃から、共働き家庭の増加により、保育所の利用申し出が高まり、特に、乳幼児の入所希望が増加した。このため、京都市は、他の施設の転用などを含め、保育所の増設を迫られていた。ところが、京都市は昭和30年度から昭和36年度まで財政再建団体に指定され、昭和37年度にやっと再建団体から脱しており、職員の増加を伴う事業等を行い得る状態にはなかった。

しかし、保育所の不足は大きな問題であり、社会のニーズとしては、特に乳児保育の必要が叫ばれており、そこで、京都市は、地元の「公設民営方式」を導入することとした。

 

 

 

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