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○ 金町浄水場常用発電PFIモデル事業

 

1]経緯

東京都水道局では、より災害に強い水道の構築を目指す施策の一環として、万一の事故や震災時においても、浄水場の運転に必要な電源を確保するため、常用発電設備を整備することとしている。また、発電設備については、地球環境にやさしい循環型都市づくりへの取組みの一環として、発電装置から発生する熱を有効利用するため、都市ガスを主燃料とするコージェネレーションシステムの導入を進めている。

 

2]金町浄水場へのPFIの導入

浄水場の常用発電設備の設置及び管理に当たり、多様な経営手法の選択の一環としてPFIを導入していくことは、水道事業経営の効率化を図り、水道財政の安定化に資するものと期待できる。

そこで、金町浄水場の常用発電設備の設置及び管理について、PFIの導入を前提に収益性、原稿法令関係、事業のリスク、事業規模の適正性、特定財源等を幅広く検討した結果、これをPFIモデル事業として実施することとした。そして、平成11年1月から事業者の公開募集を行い、同年10月に金町浄水場エネルギーサービス株式会社との間において、電力及び蒸気の供給契約を締結した。

この事業では、事業会社が金町浄水場内にコージェネレーションシステムを設置・運営し、水道局に電力及び蒸気を供給する。水道局は、供給された電力及び蒸気に対する料金を支払い、事業会社は、この料金により、建設資金等の初期投資額の返済や人件費、燃料費等の運営費を賄う。

この事業は、PFIの類型ではサービス購入型に分類され、公共部門が民間事業者の提供するサービスの購入主体となり、民間事業者が公共部門からの支払いにより事業コストを回収する形態である。また施設の所有権は公共部門に移転することなく、最後まで事業を継続するBOO(Build Own Operate)方式である。すなわち、事業が終了した場合、事業会社は自らの費用で設備を撤去することになる。

なお、他の水道事業等への導入に当たっては、事業の優位性、水質の安全性、供給の安定性、事業リスクなどを十分考慮するとともに、モデル事業の実証を踏まえて、別途検討する。

 

 

 

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