・火葬業務については、長期間にわたって市民にサービスを提供する必要が継続すること
・サービス内容が定型的であり、また、水準を設定しやすいことから、金額に換算しやすく、行政と民間のリスク分担も比較的容易と考えられること
・建設費が概算で約100億円になるため、行政にとって、トータルコストの削減や財政支出の平準化などスケールメリットが期待できること
・建設にあたっては国などの補助制度がない地方単独事業であるため(起債は厚生福祉施設事業債がある)、補助制度のある事業よりPFIの優位性を発揮しやすいこと
などから、当該事業をPFI推進のモデルとして位置づけ、調査研究を行うとともに、事業の推進を図ることとした。
現在、札幌市では、火葬場については、公営のみであり、墓地については、公・民両方が経営しているが、全国的には民営の墓地はもとより、民営の火葬場も見受けられ、VFMの検討には適した分野と言えよう。
しかし、民間が事業主体となることで、従来どおりの公共事業として行う場合と比較して
・都市計画決定や開発行為、農地転用等の手続
・用地取得や周辺住民の同意
・ダイオキシン類等の排出抑制などの環境保全対策
に手間取ることも懸念され、検討課題となっている。
さらに、この他にも、
・従来方式によるライフサイクルコストの算出方法
・政府系金融機関融資を含めたPFI方式におけるライフサイクルコストの低減
・価格だけでなくサービスの質も含めた総合的な評価方法
などが今後の課題として考えられる。
このように現時点では、第2斎場建設事業のみがPFIモデル事業として位置づけられているが、他の事業についても、PFI導入の可能性がないか、引き続き検討を加えていく考えである。
また、行政主導による検討だけではなく、札幌市の事業全般の情報公開を進めることにより、民間からの発案も求めていきたいと考えている。