(5) VFMについて
ア. 定義
VFMとは、PFIプロジェクトの存続期間全体における費用(コスト)と期待できる効果(ベネフィット)の最適な組み合わせを意味する。コストは国民が負担した税金であり、ベネフィットは公共(国民全体)の便益である。
PFIは、この最適な組み合わせ(VFM)を、民間部門と公共部門の双方がそれぞれの得意分野に特化することによって実現する、公共サービスの調達手法である。
イ. 利用場面
VFMの利用場面としては、次の3段階が考えられる。
1]プロジェクトそのものの採択段階
2]事業手法としてのPFI方式の採択段階
3]PFIプロジェクトを実施する事業者の選択段階
ウ. VFMを実現するための条件
最大のVFMを実現するためには、公共サービス調達の各局面において、民間が適切に管理することが可能な部分(リスク)を最大限民間が分担することが必要である。
このためには、以下の条件が必要である。
1] 公共サービス調達に伴うリスクとその分担主体を明確化する「明確な公共と民間の役割分担・リスク分担」の考え方
2]公共は計画責任を負い、調達しようとする公共サービスのアウトプット(「何を」だけ、「いかに」は民間で)を特定し、民間が負った経営責任を果たしているかどうかを、その特定されたアウトプット指標をモニタリングすることでみる「アウトプットの特定」の考え方
3]VFMを担保するための「競争性の確保」と業績に見合った動機付けという考え方(民間の収益追求行動を優良な公共サービスの提供に結びつける仕組みづくり)