第二は民間側からの視点であり、民間の立場からは、今まで公共側が主体となって実施してきた事業・サービスに参入することが可能となり、民間にとって新たなビジネスチャンスが期待されるものでなくてはならない。この場合、民間が公共サービスを公共に代わって提供する主体になることに留意し、民間の経営努力を積極的に行って事業を進めていくことが必要となる。
三 検討すべき内容について
PFI事業を進めていくプロセスにおいては、二で述べた2つのステップを踏まえることが前提となる。その中心はやはり公共側において重視するVFMの観点であり、公共側での検討をべースに抽出・選定された事業が、民間側から再度、市場原理に基づいて評価されることになる。
まず公共側における検討では、政策・施策立案段階からブレークダウンして打ち出される各種事業についての客観的な評価を踏まえ、「実施するか・しないか」の判断、さらには「実施するもの」についてはその優先順位付けを行うことになる。その際に設定される目標にはVFMに基づく視点も踏まえることとなり、これによりこれまでの各種事業手法との比較、個別具体の評価基準が整理される。
総合政策評価システムにおける事業の検討としては、第一に、政策評価、施策評価、事業評価のステップにおける整理とその位置づけを明確化し、また、事前評価、中間評価、事後評価のステップにおける整理とその位置づけを明確化する必要がある。
次に、政策〜施策〜事業評価を通じて検討された内容を考慮し、必要とされる社会資本整備・事業のリストアップ(優先順位付け)が必要となる。この場合には、1]公共の視点(評価基準)による選定と、2]民間の視点(評価基準)による選定が必要であり、評価の結果、VFMと事業性が両立しない場合にはPFI手法の導入は困難と判断し、他の事業手法検討することになる。逆にPFI手法を導入を決定した場合でも、第三者による最終的な選定事業の決定評価が必要となる。さらに、契約までの手順・手続の検討及び透明性の確保についての検討も必要となる。