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6. 情報の保証

 

6.1 はじめに

 

6.1.1 入札者は、ITNにおいて、当局が支給した情報にその入札の基礎を置き、当局はかかる情報が真実であることが立証されているかどうかを、明確にすべきである。

 

6.1.2 契約は、事業者がその入札において依拠する情報が後に不正確であることが判明した場合に、だれがそのリスクを負担すべきか、決定すべきである。この中には、当局から事業者に譲渡された資産に現れる潜在的な瑕疵のリスクをだれが負担するかの決定も含まれる。

 

6.2 相当の注意

 

6.2.1 過去において一般的であったアプローチは、当局が情報が真正であると確認する責任を全面的に事業者に引き渡すことであった。これにより、事業者(およびその他の入札者)は、なにが競争入札するか、どんな偶発事故が含まれるのか確かめるうえで相当の注意を払うための出費を強いられる。事業者がこのリスクを引き受けるのは、それ以外の部分については相当の注意が少なくてすむプロジェクトだからであり、新しいサービス提供のみが目的のプロジェクトであれば、なおさらである。

 

6.2.2 しかしながら、プロジェクトが多額を要する相当の注意を膨大に払う必要がある場合、もしくは当局が唯一の情報源であり、かつその情報が別途の方法で真正であることの確認ができない場合、このリスクを負担することを忌避するかもしれない。こういう場合はたいてい、当局が期間を延長し、それまで内部で提供されてきたサービスおよび(もしくは)不確かな状態にある資産を移譲すべきである。

 

6.2.3 事業者が不正確な情報のリスクを負担する場合、その入札価格は、推定されるリスクの水準を反映して、増大する。当局は当該リスク自体の一部を負担するか、当該リスクを第三者に移転できる場合、(全体的なリスク配分を考慮に入れて)、より良好な、VFMを得られるかどうか考慮すべきである。

 

6.3 当局の保証

 

6.3.1 当局は、提供する情報を保証するうえできわめて慎重でなくてはならない。保証は、それが与えられる以上、事業者が入札するために依拠する情報以外に拡大されてはならない。以下のすべてが避けられないかぎり、保証の忌避が起るだろう。

・ 当局がかかる情報の唯一の情報源であるか、かかる情報が事業者によって合理的な費用で真正であることの立証ができない場合、

・ 当局がかかる情報の正確さに確信を持っているか、もしくは巨額の出費なしに(たとえば、徹底的な調査、内部調査もしくは検査により)その正確さを確認できる場合、

・ 当局が(全体的なリスク配分を考慮に入れ、)結果的に良好な、VFMを得ること

 

 

 

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