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ですから、今後将来的にはそういうちゃんと取り組みやったところが何をやっているか外から見えて、そういうところが評価されると。そういうことによって、環境対策が一種の我慢比べとかではなくて、ビジネスのチャンスとして進んでいくような社会になっていったらいいなと。そのために我々としてもできるだけ努力をしていきたいというふうに思っております。

○石 飯田さん、今後の何か期待や希望や注文も込めていかがでしょうか。

○飯田 今までお聞きしたお話だとか、それから私の思いみたいなものがまだよくまとまりませんが、これは企業の場合も地方自治体の場合も言えることですけれど、職員の意識をどう徹底させるかということが非常に大きな課題ではないかと今そんな感じがしてきました。トップであるとか、あるいは管理職、職員と職階ごとに役割があって、そして審査もあるわけですけれども、具体的な日常の環境行動の取り組みというのは一人一人の職員であるわけですから、この理念とか環境方針の一人一人の職員への徹底ということが非常に大きな鍵になるんではないかと思います。そのために、取得の準備段階から研修にどこの事業体も大きなお金や時間をかけているというふうなことを伺ったこともあります。職員の意識の改革といいますか、改革が失礼であるならば、意識の徹底ということが非常に大きな鍵になっているんではないかというふうに思いました。

それからもう一つは、これはISO14001に限りませんけれども、この認証取得というのは大命題として考えれば、環境問題の解決とか改善に目的があるわけですから、この認証を取ることが目的ではなくて、すなわちゴールではなくて、これがスタートになるんだということだと思います。しかも、スタートして、さらにそれが年々レベルアップしていかないと意味がないということです。ところがこの認証取得の準備段階で特に担当部局は大変なエネルギーが要るんだというようなことも伺っています。だから、それを取得したところでほっとできるのではなくて、実はそこがスタートラインであって、しかもそれをさらに維持、運用するだけではなくて、レベルアップしていかなきゃならないというのはこれは大変なことだろうと思います。そのためには、やはり職員の意識というのが非常に大きな鍵になるんじゃないかという感じがしました。

それから、さらに言いますと、私たち消費者が企業に望むことというのは、商品の開発に当たって、原料の採取であるとか、製造とか、流通とか、消費とか、廃棄とか、その各段階において環境負荷の低減を考えた製品をつくっていってほしいということです。だから、必ずしもISOの認証をとることだけにこだわるわけではなくて、このISOの精神に沿ったような環境方針をぜひ持ってもらいたいということです。

それからもう一つは、環境問題への取組や認証取得の効果を県民や消費者に対してもっとわかりやすくPRや啓発をしたり、公表したりしていただきたいというようなことを感じました。

○石 仲手川さん、お願いします。

○仲手川 企業ではもう先ほどの環境報告書とか、それから今のお話あった商品の環境ラベルとか、今原材料から最後まで、最近は廃棄をしない、再資源化をしてしまいますと廃棄という工程はなくなるかもしれません。ライフサイクルでのそういう環境影響をお客様に提示していく。つまり製品の環境情報をお客さんに提示して、購入するときの手段に使っていただくというような活動をやって、結果としてそのことが会社の内容を評価されることだと思うんです。ただ、今言いました環境報告書、環境会計、環境ラベル、実はこの環境を担当している人達は今もうむちゃくちゃ忙しい時代に入ってしまいまして、ちょっと加熱ぎみなところがあります。

 

 

 

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