2 商工業
(1) 商業
中球磨地域の商業集積地としては、免田町の商店街があげられる。
しかし、近年、人吉市や錦町に郊外型大型店舗などが進出したなどにより商店街の空洞化が進んでいる。
今後はTMO(タウンマネージメント機関)などの主導による中心市街地活性化事業などを有効に利用することにより、免田町商店街が活性化し、中球磨地域の代表的な商業集積地となることが期待される。
(2) 工業
中球磨地域の製造品出荷額は、県内でも低い方であり、企業誘致の実績も少ない。
誘致企業の主なものとしては、上村にある大手自動車メーカー系列の2輪車関連部品工場や、深田村にある合併浄化槽メーカーなどが挙げられる。
特に合併浄化槽メーカーの同村への進出理由は、九州自動車道を介した九州各地への交通アクセスの便利さであり、人吉インターから車で20分程度という中球磨の立地条件からさらなる企業の進出も将来見込まれるところである。
また、免田町には半導体製造装置関連のベンチャー企業があり、県内の同業2社と共同で米国進出を予定している。
中球磨地域には、5つの焼酎製造業者があり、それぞれ独自のブランドで製造・販売している。WTO勧告による焼酎への税率引き上げという逆風の中、酒蔵見学とレストラン経営により観光客への直販による販路拡大と販売量の拡大を図っている先駆的な経営者もいる。また、深田村では、アイガモ農法の無農薬米や五木の清水を使った自社ブランド化を確立し、首都圏の販売店に直接商品を卸して独自の販売ルートを開拓するなど他商品との差別化を図り、高付加価値化の戦略をとる経営者の動きも出てきた。