イメージの打ち出しという点では、白浜は決してうまくはない。北陸でも、松葉カニをアピールするのに20年かかっている。現在は、旅行情報の流通が進んでいるためこの期間は大幅に短縮されており、桜エビは3年間で成功している。白浜は、もし何軒かの旅館が何らかの形でイメージ打ち出しの取組を行えば、旅行関連の業界としてはそれを支援したくなるだけの知名度・ポテンシャルを持っている地域であると思う。その特徴出しをいかにして料金低下の状況とバランスさせていくかが重要である。
○ 街の楽しみの創出
白浜は、宿泊施設が整っており、旅館内消費率が高く、周辺との共生が取れていない。街の楽しみが無く、旅館で完結し、町内の回遊性が悪いというイメージがある。有馬温泉が力を入れているように、旅行者が楽しめるまちづくりに取り組む必要があるのではないか。また、周辺との連携という意味では、大阪から2時間圏にあるだけに、道中の景観・環境整備が重要である。
片山津、山代や熱海は収容力の拡大に走り1,000から2,000人の規模の同じようなホテルばかりになっているのに対して、白浜は小型のホテルなどもあり、多様性を打ち出すことも可能である。
(4) 周辺との連携
中年女性や熟年の人にとっては、熊野街道は歴史ロマンの点で魅力的だと思う。白浜とは雰囲気の違った龍神、川湯などとの連携をすることが、その多様性を高めるためにも重要である。