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3 沖縄振興の今後の方向、期待される振興策

 

県はこれまで3次にわたる振興開発計画のもと、社会資本整備を中心に振興開発を進めてきた。この面の格段の向上は、多くの住民が認めるところとなった。しかし、所得格差や失業率の高まりにみられるように、産業経済の振興についてはまだまだ課題を残したままである。加えて、地理的特性を活かした国際交流拠点の形成など、今後とも取組を強化しなければならない面も多い。

近年の振興開発をめぐる環境変化を背景として、沖縄振興開発特別措置法の改正などの制度改変や沖縄経済振興21世紀プランの策定を進めるなど、多くの振興策が打ち出されており、沖縄の振興が大きな転換点を迎えており、産業経済振興への期待が持たれている。このような振興策の展開により、沖縄では、国際交流、産業振興、人材育成・確保などへの重点的取組がなされるよう多くの期待が高まっている。

 

(1) 国際交流・国際貢献

県は、他県にはみられない歴史的経験の蓄積を、わが国において優れた国際性を発揮するためのポテンシャルとして捉えている。そして、このことを、1992年9月策定の第3次沖縄振興開発計画の中に、「南の国際交流拠点の形成」として主要施策の一つに位置づけている。

また、国の新全国総合開発計画(21世紀の国土の総合デザイン)は、沖縄を、「地理的、自然的特性と歴史的、文化的蓄積等の地域資源やそれによって培われてきた多様性を受け入れる国際感覚と相互扶助の精神を積極的に活かし、地域の自立的発展とわが国ひいてはアジア・太平洋地域の経済杜会文化の発展に寄与する21世紀のフロンティア“太平洋・平和の交流拠点(パシフィック・クロスロード)”」と位置づけている。すなわち、沖縄は、東南アジア・東アジア諸国をはじめ西太平洋上に位置する熱帯・亜熱帯の諸国、諸地域からなる交流圏の拠点としての役割を担うことにより、アジア・太平洋地域を相互に結び南北の架け橋となる独創的な交流を進めることができる可能性を持っている。

 

 

 

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