各事例の詳細については、巻末の3]先進事例一覧を参照されたい。
(2) 事例から学ぶこと
ア まちづくりは歴史的資源の価値の認識から始まる
既出の文化庁調査によると、歴史的まちなみとして把握していた地区は、20年前の調査時点では715地区であったものが、平成9年度のアンケート調査では、1,017地区に増加している。全国的に歴史的まちなみが物理的には滅失しているにもかかわらず、逆に歴史的まちなみとして認識されている数が増加しているという結果であった。抽出事例でも従来は歴史的価値を認識していなかったとする例が多く、まちづくりは地域の歴史・文化資源の価値が住民・行政において認識されることが出発点といえる。