なお、「寝具洗濯乾燥消毒サービス事業」は、平成12年度「介護予防・生活支援事業」のメニューとして予算要求されており、現行通りの実施が見込まれている。
(2) モデル地区のサービス比較と問題点・課題
・3モデル地区とも行政サービスとして実施しているが、サービス内容や利用要件には差異がある。
・水洗いや乾燥消毒等を行う設備が必要なため、いずれも設備を持つ民間企業に委託実施している。
・対象者要件の拡充とサービス内容の充実が課題とされている。
3モデル地区ともにサービスが実施されているが、サービス内容や対象者の要件にはやや差異がある。
サービス内容の違いは、大宮市が洗濯と乾燥に対応しているのに対し、東松山市と小鹿野町は乾燥のみがサービス化されている点である(図表3-2)。
対象者要件の違いをみると、年齢用件は大宮市「65歳以上」あるいは東松山市「60歳以上」、小鹿野町は年齢要件の設定がなく、「高齢者のひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯で、寝具を干すことが困難な世帯」を要件としている。
大宮市では年齢要件に加え、以下のいずれかに該当することが要件とされている。
○ひとり暮らしで寝具の乾燥を行うことが困難な方
○病気などにより常時寝たきり状態又はこれに準ずる状態が6ヵ月以上継続し、家族が寝具の乾燥を行うことが困難な方
東松山市は年齢要件に加え、「寝たきり高齢者等」を要件とする。
各地区の高齢者世帯等の特徴サービス利用者本サービスでは、水洗いや乾燥消毒等を行う設備が必要となるため、いずれもサービスを設備を持つ民間企業に委託している。
現行システムに対する問題点・課題として、対象者要件の見直し(拡充)が必要との回答がある。
3地区の利用者(世帯)数を人口規模と比較すると、大宮市の利用は他地区よりも少なく、回答にあるとおり、対象者要件の設定が利用状況に反映しているものと思われる。加齢によって寝具洗濯乾燥消毒が困難となっている「老老介護」や「高齢者のみ世帯」に対する要件の拡充が検討課題となっている。
このほか、洗濯だけの実施に乾燥消毒を追加するサービス内容の拡充が検討課題になっている。