民間企業への委託は大都市における新しい動きであり、当市の特徴と捉えられる。このほか、有料老人ホームが2施設(公営と私営各1)あることも大都市の特徴であろう。
「老人憩いの家(8)」と「老人福祉センター(5)」が13ヵ所に配置されており、このうち12ヵ所は当市が設置、当市社会福祉事業団が運営している。
(4) 在宅福祉サービスの実施状況
ア 行政サービスの実施状況
大宮市が行政サービスとして実施している在宅福祉サービス・メニュー(図表2-12、その他の回答は除く調査対象18項目)は、介護保険適用となる短期入所、通所介護、訪問介護、訪問入浴介護、福祉用具貸与(一部)の5項目のほか、通所系施設サービスでは、ナイトケアとホームケアの2項目、在宅サービスでは配食、会食、寝具洗濯乾燥消毒、訪問理美容の4項目、見守り・安否確認領域では緊急通報と福祉電話の2項目の合計13項目が確認された(調査対象サービスの実施率72.2%)。
行政サービスとして確認された13項目の実施形態をみると、市の直営事業は「安否確認・見守り」に分類される2項目に限られ、他の11メニューはすべて委託事業として実施されている(同委託率84.6%)。
具体的な委託先をみると、通所系施設サービスの4項目は入所施設を運営する社会福祉法人と社会福祉事業団であり、在宅サービスの7項目では、訪問介護が福祉公社と社会福祉法人、配食が社協、訪問入浴介護と寝具洗濯乾燥消毒、福祉用具貸与、訪問理美容が民間企業と、サービス領域に応じて委託先の使い分けが行われている。
イ その他の主体によるサービス実施状況
社会福祉協議会は市からの委託による配食のほか、独自に会食サービスやふれあいサービスと称する会員制の家事援助サービスを実施している。社協登録(把握)ボランティア活動数は127人、114グループ(埼玉県市町村社協便覧平成11年度版による)で、月に2〜3回高齢単身者を友愛電話訪問活動などが行われている。
社会福祉法人や医療法人による訪問看護と訪問リハビリテーションの実施があるほか、訪問介護と訪問入浴介護、寝具洗濯乾燥消毒、福祉用具貸与、訪問理美容、福祉移送サービスの6項目にわたり、民間企業の活動が確認されている。
以上のほか、NPO法人1組識が訪問介護を実施するほか、市民のボランティア団体による「グルプホーム」の運営が確認されている。