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第2章 モデル地区の地域特性と在宅福祉サービス

 

1 大宮市の地域特性と在宅福祉サービス

・鉄道を中心とする交通の要衝として発展した、都市型産業構造をもつ40万人都市である。

・17保健福祉地区がベースとなり、在宅福祉サービスを支える健康福祉関連施設が配置されている。特別養護老人ホームなどの福祉施設は7社会福祉法人によって設置、運営されており、同施設にデイサービスセンターや介護支援センターが併設(公設民営が多い)されている。

・有料老人ホーム(公営、私営)が2ヵ所あるほか、新しい動きでは、単独立地する在宅介護支援センターが民間企業に運営委託されている。

・調査対象項目のうち13項目が実施されている。直営は2項目に過ぎず、11項目が委託実施されており、委託先は社会福祉法人(当市関連団体及び社協を含む)のほか、民間企業(3項目)となっている。

・社協は自治体からの委託のほか、単独で会食サービスや会員制の家事援助サービスや会員制の家事援助サービスを実施している。民間企業の参入は在宅サービス調査対象10項目中の6項目に及ぶ。NPO法人が訪問介護を実施するほか、ボランティア団体がグループホームを開設している。

・市民福祉ニーズ調査によると、緊急通報、寝具消毒乾燥、おむつの給付、移送サービスなどの介護保険適用外サービスについても利用意向が高い。

 

(1) 自然地理的特性

埼玉県の東南部に位置し、東側を綾瀬川、西側を荒川に挟まれたほぼ平坦な武蔵野台地上に形成されたまちで、東西約14km、南北約10km、面積約89km2の市域をもつ。年間平均気温は15℃前後と温暖だが、年によって夏季の最高気温が40℃を、また冬季の最低気温が-7℃を超すこともあるなど、内陸型の気候の特徴を示す。

地目別土地利用の現状をみると、「宅地」が35.0%と県平均(16.8%)の2倍以上あり、3モデル地区の中では最も都市化が進んでいる(図表2-1)。

(2) 社会経済的特性 

沿革:昭和15年11月に北足立郡大宮町以下5町村の合併により市政を施行し(面積約38km2)、昭和30年1月に周辺6村を合併してほぼ現在の市域を構成した。

人口・世帯の推移:市政施行の昭和15年に6万人弱、6村合併の昭和130年に15万人弱となった人口は、その後も増加の一途をたどり、平成10年に約46万6千人と、浦和市、川口市と肩を並べる大都市に成長した。平成2年〜平成7年の人口増加率は7.4%と県平均の5.5%をやや上回っている。世帯数はこの間人口以上のテンポで増加し、平成10年現在、約16万7千世帯、1世帯平均人員は2.68人にまで縮小してきている(図表2-2、3)。

人口・世帯の構成:平成7年の年齢3区分の構成は、幼年人口15.6%、生産年齢人口73.4%、老年人口10.9%であり、県平均よりも老年人口比率がわずかに高いものの、まだ相対的に若い人口構成となっている。普通世帯のうち、高齢夫婦世帯が5.2%、高齢単身世帯が3.1%などとなっており、いずれも県平均値よりもやや高くなっている(図表2-4、5)。

 

 

 

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