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したがって、見守り・安否確認システムの構築については、特に地域単位での取組が不可欠である。高齢者に潜在すると思われるニーズを整理するとともに、徘徊探知機器等の情報通信機器の開発動向を視野に入れた地域社会としての「見守り・安否確認システム」の構築を検討することが課題ではないかと思われる。

 

2 代替案の検討

(1) 代替案検討の視点

上述したように、見守り・安否確認システムは、その他の福祉サービスとはやや異なり、本人側のニーズよりも、家族や地域社会の本人に対する「おもんばかり」に基づいて形成されてきた側面が強い。いわば、社会の構成員に対して社会として当然用意すべき「セイフティ・ネット(安全網)」の一つといえよう。その意味からすれば、このシステムに関しては、地域における健康資源の創造と活用は、より一層重要な課題となる。

本節では、現在行政サービスとして実施されているいくつかの見守り・安否確認のシステムを、対象者の状況・行動を基準とした類型化の枠組みに対応させ、その上で、システムの部分機能に対する代替案や、システム全体の代替案の事例を検討する。

 

(2) 安否確認・見守りシステムの類型化

「見守り・安否確認サービスの代替・新規システム」を検討するためには、1]どのようなニーズがあるか、2]システムを構成する機能は何か、という点を押さえる必要がある。このような視点から、現在行政サービスとして実施されているサービス、及び自治体、住民団体、民間企業などで提案され、試行されている各種の新規システム(サービス)を位置付けると、図表5-5のとおりである。

ニーズのタイプとしては、在宅の独居老人の異常発見・通報と、徘徊型の痴呆老人の探知・発見・保護に大別される。前者の方がサービス対応では先行し、後者は近年ようやくクローズアップされてきたニーズである。

システムを構成する要素機能からみると、どちらのニーズに対応する場合にも「非常(異常)事態の発見・通報」、「通報受信・対応指示」、「現場(状況)確認・本人保護」の三つの機能ユニットが識別できる。

 

(3) 現行サービス(緊急通報システム)の改善案

現行の行政サービスとしてもっとも普及している緊急システムに限定して検討する。

 

ア 検討課題

検討課題の第1は、サービス対象者として「日中独居老人」(日中は同居家族が不在)まで含められるか、の検討である。

 

 

 

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