序 調査研究の趣旨
地球温暖化対策推進法が昨年の4月に施行され、同法において、国、事業者、国民とともに、地方公共団体の責務、役割についても定められた。公害問題に対しこれまで地方公共団体が先駆的、先導的に取り組んできた例を見るまでもなく、環境問題について地方公共団体が果たす役割は非常に大きいものがあり、地方公共団体には地球温暖化防止に向けて積極的な取組が求められている。自治省としても、かねて地方公共団体の自主的な環境対策への取組に対し、交付税措置をはじめ財政支援を行ってきたところであり、今後とも積極的に地方公共団体を支援することが求められている。
地域における地球温暖化防止施策は、環境庁をはじめ関係各省庁と連携しながら取り組んでいくことが必要なものもあるが、同時に1]地方公共団体が独自に取り組むべき施策や2]地方公共団体がそれぞれの自然的条件、社会的条件に応じて具体的な施策を選択する際に留意すべき事項、3]地方公共団体が様々な施策を実施する際に地球温暖化防止の視点を取り入れ、施策を効率的・効果的に実施するために配慮すべき事項について検討を行うことは意義あることと考えている。
そこで、本年度の研究会では、以上のような趣旨に基づき、市町村を中心に地球温暖化防止に関する地方公共団体の取組状況について調査を行うとともに、地方公共団体が行う諸施策について、地球温暖化防止の観点から何が求められるか、改善事項は何か、について基本的な検討を行うこととした。
本報告書は、このような調査及び検討結果を踏まえて、地球温暖化防止の観点から地方公共団体の施策の評価や今後の展開方法について報告書を取りまとめたものである。本報告書で提案している内容が、地方公共団体における地球温暖化防止のための施策選択の一助になれば幸いである。