このため、在宅福祉を基本理念として、必要な介護サービス基盤の整備を進めるとともに、介護サービスの質の確保には特に配慮する。これにより、高齢者が自らの意思に基づき、自立した生活を尊厳を持って送ることができ、家族介護者への支援が図られるような環境づくりを推進する。また、特に重要性が増している痴呆性高齢者への取組みを重点的に進める。
III 支え合う地域社会の形成
すべての高齢者及び家族が住み慣れた地域で生きがいをもって暮らせるためには、地域において介護にとどまらず、生活全般にわたる支援体制を整備していく必要がある。このためには、人と人のつながりが希薄化する現代にあって、高齢者を取り巻く地域社会が果たすべき「支え合い(共助)の役割」を評価し直すことが求められる。そのため、既に幾つかの市町村で取り組まれている、住民同士による支え合いのネットワーク(体制)づくりや地域活動の拠点づくり、市町村行政への住民参画など、支え合う地域社会の形成へ向けての取り組みを積極的に支援するとともに、高齢者の居住や移動といった生活環境の整備を進め、福祉基盤の強化を図る。
IV 利用者から信頼される介護サービスの確立
介護保険法の実施に伴い、高齢者の介護サービス利用は従来の措置を中心とした仕組みから、契約による仕組みへと大きく変わる。この新たな仕組みが「利用者本位」の仕組みとして定着するためには、高齢者が介護サービスを適切に選択し、利用できるような環境づくりが重要となってくる。
このため、利用者保護の環境整備に万全を期す一方で、介護サービスを担う事業者の健全な発展を目指す。これにより、国民の介護サービスヘの信頼性を確立するとともに、大きな可能性を秘めた成長分野として、雇用機会の創出にも資することに配慮しながら、介護関連事業の振興を図る。
(プランの期間)
介護保険事業計画及び保健事業第4次計画との整合性孝踏まえ、プランの期間を平成12年度から平成16年度までの5か年とする。ただし、今後の老人保健福祉計画及び介護保険事業計画の見直し等、状況の変化に応じて適宜見直すこととする。