政策目標の達成度を分析するには、一連のサービスが適切に組み合わせて提供されているかどうかを検討しなければならない。しかし、分析対象は多種多様にわたるため、やはり最初のアプローチとしては、介護サービスの狭義の定義に限定して分析を進めざるをえない。その中でも、とりわけ「ゴールドプラン」に沿って重点的に拡充が図られている「在宅ケア」と「施設ケア」にしぼって、以下では分析を進めていく(3)。
かくして、高齢者ケア・サービスの施設ケアと在宅ケアの具体的なサービス項目(D-アウトプット)をあげてみたのが表1である。すでに述べたように、ゴールドプランに基づいて各自治体は老人保健福祉計画を策定し、施設および在宅によるサービスの充実を進めてきているところである。それらのサービスの水準と組み合わせとが高齢者の自立にどれだけ貢献しているかを分析することが、上述したように政策の有効性評価を行うためには必要である。しかし、そうした分析の難しさとデータの制約とから、その前段階の分析として、以下では、各自治体の老人保健福祉計画の中で中心に位置付けられてきた施設および在宅の介護サービスを対象に、それがいかなる要因を反映して決められているかを計量的手法によって分析してみたい。