4 介護保険を支える基礎−広域化への道−
(1) 「広域化」、いいこと、やれること
現在、介護保険導入に向け様々な形で広域化の取り組みがなされている。広域化の目的は、以下の各項目の長所を発揮することである。
ア 要介護認定における長所
1]審査判定における基準の地域格差が解消。
2]審査委員会メンバー(医師等)の確保
3]審査件数の少ない小規模市町村にとっての効率性。
イ サービス供給における長所
1]顧客が多いほどサービスのコストダウン、メニューの多様化が可能。
(措置制度であれば、小規模町村でもサービス供給可能であったが、介護保険制度であれば採算性が問題となる。)
ウ 財政運営における長所
1]規模が大きいほど保険財政に係るリスクを分散し、財政が安定しやすい。
2]近隣市町村間で保険料格差がなくなる。
(2) 5パターンの広域化
(1)に示した長所を踏まえながら実際には次の5つに分類される形で広域化が進められている。
ア 小規模町村同士のパターン
町村が複数集まり一部事務組合や広域連合を形成。例えば、認定審査を共同で行うような例があり、一番数が多い。
イ 小規模町村(過疎・離島等)及び県のパターン
過疎地域などよりハンディキャップの強い地域において広域的な観点から県も加わった形で広域化を進める例がある。鳥取県と隠岐島の7町村が行っている。