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2. カバー率の算出

 

舶用機器生産と新造船竣工との間には、時間差が生じると考えられる。即ち、当年度に生産された舶用機器は必ずしも当年度の新造船に全て搭載される訳ではなく、一部は次年度以降の新造船に搭載されることとなる。そこで便宜上、当年度に生産された舶用機器の内、1/2が当年度新造船に、残りは次年度新造船に搭載されると考えることにする。このように両者間にラグを導入した上で、船種・船型ごとに代表船型隻数×原単位を算出し、それらを合計すると、理論上内需実績と合致するはずである。しかしながら、業界慣行の製品定義と生産・貿易統計上の製品区分が厳密には一致しない可能性があることにより、試算値と実績値の間に差異が生じることが予想される。次表は1995-98年における試算値と実績値を比較したものである。カバー率(試算値/実績値)は従前の予想のとおり、多くの品目で試算値は過少評価となっている。そこで、過去の平均カバー率(加重平均)を算出し、将来にわたってもカバー率は一定と仮定した上で、Σ((代表船型隻数×原単位)/カバー率)により舶用機器内需を予測することとする。(試算値と実績値の差異はそのまま予測の限界を示すものではあるが、カバー率を用いた予測手法は現状では最良の方法である。)

 

表 舶用機器品目別カバー率(%)

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注1:試算値は、Σ(代表船型隻数×原単位)により算出。実績値は生産−輸出+輸入により算出(一部推計値)。カバー率=試算値/実績値(%)

注2:カバー率は1995-98年加重平均値を採用。

注3:ポンプ、漁労用機器等の一部機器のカバー率の乖離については1]定義上の問題(即ち生産統計上と原単位設定上での定義の格差)、2]原単位上の問題(単位が金額ベースのため、価格変動により生産統計と試算値の間に格差が生じる可能性がある)、3]新造船のみならず現有船に対して代替的に搭載される、が考えられる。

注4:「前回値」は前回調査(1997年度)時に使用したカバー率で、参考のため掲載した。

 

 

 

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