4. 成果
(1) まとめ
1]EGR率30%の条件で20hの試験運転を実施したところ、トップリングの摩耗量が60%増加するという問題点が明らかになった。シリンダライナの摩耗量にはほとんど差は認められなかった。
2]再循環ガス中に含まれるばいじんを低コストで効率的に除去する技術として海水スクラバーを調査した。タンカーのイナートガスシステムにすでに使用されているものでSOx除去率約93%、粒径100μm以上の固形分のばいじん除去率90%以上とされている。このためEGR時のリング・ライナの摩耗低減にも大きな効果が期待される。
(2) 今後の課題
1]EGR適用時の大形舶用ディーゼルの信頼性向上のため、EGRガスに海水スクラバーを適用してばいじんを除去しリング・ライナ摩耗問題を解決する。
2]燃焼残さ以外の腐食による摩耗増加の可能性についても今後検討の予定である。