4-2. 今後の課題
精密鋳造ピストンに関する実用化の課題として、精密鋳造ピストンの実体強度や耐久性などの信頼性確認が挙げられる。
ニアネットシェイプによる高精度化を達成するには精密鋳造の各工程における寸法変化(収縮率)のデータを蓄積し、ワックス用金型や中子寸法に反映させる必要がある。鋳造品の高品質化(健全性確保)のためにはセラミック中子の物性値の適正化による凝固シミュレーションの精度向上や押し湯の限界到達距離を把握し、最適鋳造方案を確立する必要があり、また鋳造品の非破壊検査技術の確立が必要不可欠である。
さらに、鋳型造形方法など製造方法について検討して精密鋳造工程の効率化をはかるとともに、効率的な中子除去技術を確立する必要がある。
本調査研究で得た成果をベースに、今後、鋳造品の信頼性向上、高精度化、高品質化、中子除去方法の確立を図り、精密鋳造ピストンの実用化を目指す予定である。