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5. 大型押出形材使用上の要留意点

 

● 使用に際しては、事前に大型押出形材採用の得失を良く検討し確認すること。

特に小型船では適用箇所を厳選すること。設計希望通りのサイズのないことが多い。

● JIS規格7種の外、各社は多寸法多種類の型を持つ。材料手配上の理由から各社製品を混用する場合には、予め寸法、精度を確認すること。

● 板巾が300〜600mmに限定されるため、板継ぎ(シーム)溶接量が大。自動又はトーチ自走溶接、かつ片面裏波溶接法採用が望ましい。この場合パネルの拘束を十分に行うこと。

溶接仮付け前に前後パネルとの配列整合を確認すること。

● 前後部ロンジ配列との関連を現図作業時に十分考慮すること(ロンジのランディング計画)。

● 船底、船側外板用はテーパ付きとするのが普通であるから、ロンジ貫通部のトランスは裾払いをする必要がある。上部構造用は一般にテーパなしが使用される。

● 大型押出形材は水・油密隔壁、外壁、諸室仕切壁等にも使用される。

● 骨材溶接組立パネル(プレリブ等)の活用も有効。ただし、溶接組立であるため、トランス溶接後の戻り歪みの可能性のあること、及び重量軽減面で大型押出形材に劣ることはやむを得ない。

● パイセクションの強度、重量上の利点

◇パイセクションの利点の一つ=1スパン間の曲げ応力が各位置で均等となる板厚配分

=1スパン間不均一な断面厚さ

=テーパ付き→→重量軽減

◇パネルは両端固定、等分布荷重による曲げモーメントのみのかかる帯板の梁。この条件では、固定端の曲げモーメントはスパン中央部の(ほぼ)1/2になる。

以下、パネル中央点の板厚算定法を説明。

 

054-1.gif

 

kは通常1.0〜1.2程度である。安全サイドを採り、k=1.0 とすれば t1=0.71・t0となる。

即ち板中央部の板厚は骨付部厚さの71%となる。

厳密には詳細解が必要ではある

 

曲げモーメント図

054-2.gif

 

 

 

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