(推定原因)
1) 異物衝突、プロペラ曲損による振動増加
2) 舵軸、シューピース、スケッグ等の強度不足
3) プロペラのオーバーハング過大
(注)本船引渡し時、スケッグは船首まで延びていたが、旋回性を良くするため就航後図のようにカット。
(考察)
1) 本船は本質的にスケッグの剛性が不足していると思われる。
2) 1)はプロペラ曲損による不平衡カによる繰返し応力からのクラック。舵、シューピース、スケッグの系が丈夫であれば割れないかも知れない。
3) 2)3)は舵軸及びシューピース強度不足。シューピースの変位が大きいと思われる。本船の舵は吊下げ型として扱うべきである。
4) 4)は之までの諸原因の累積による疲労破壊と考えられる。(クラックは両舷対称に発生)異物衝突と言われているが、舵、プロペラとも衝突の形跡はない。
一方本船のプロペラのオーバーハングが大きいので、プロペラ、軸系のアンバランスが生ずると軸の味噌すり運動により、軸受け部繰返し荷重がかかり、疲労破壊する危険性がある。
(対策)新構造基準(案)に準拠した恒久的な対策が必要。