(2) ラストハンプ
船が前進すると、船首部では水を押し分けるから水面に波の山が出来、船尾では船体に押しのけられて凹んでいた水が盛り上がってくる。即ち船首では山から、船尾では谷から始まる波が出来る。此の波は船の速度と等しい速度で進むが、速度が大きくなる程波高も高くなるが、波長も長くなる。そして船首波の波長が船の長さの2倍となると、その半波長のところ(谷)が船尾波の波(谷)と重なり、造波抵抗は最大となる。この位置をラストハンプと云う。此の点を越えると抵抗は減少して行く。
今、船の速力=水面波の速度=v(m/sec)、重力の加速度=g(=9.8m/sec2)
波の波長=λ(m)
とすれば、
λ=2πv2/g v=√gλ/2π
λ=2L とすれば
v/√gL=√1/π=0.56
即ちフルード数0.56に於いてラストハンプとなる。(下図参照)