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6. 速度比較のメジャー

 

(1) 船の速度比較に使用する相似則

船の航走性能比較等に用いる速度(速力)べースのメジャーとして下記のものが使用される。例えば2隻の船の間でこの値が等しい場合、両船の速度は相似していると見なす。

 

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高速船では航走中船体が浮き上がり、停止時の水線長を使用するのは意味をなさなくなるので容積フルード数を使用することが多い。これら3者間の概略対比は下記の通り。

 

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フルード数等の比較

 

(2) ラストハンプ

船が前進すると、船首部では水を押し分けるから水面に波の山が出来、船尾では船体に押しのけられて凹んでいた水が盛り上がってくる。即ち船首では山から、船尾では谷から始まる波が出来る。此の波は船の速度と等しい速度で進むが、速度が大きくなる程波高も高くなるが、波長も長くなる。そして船首波の波長が船の長さの2倍となると、その半波長のところ(谷)が船尾波の波(谷)と重なり、造波抵抗は最大となる。この位置をラストハンプと云う。此の点を越えると抵抗は減少して行く。

今、船の速力=水面波の速度=v(m/sec)、重力の加速度=g(=9.8m/sec2)

波の波長=λ(m)

とすれば、

λ=2πv2/g   v=√gλ/2π

λ=2L とすれば

v/√gL=√1/π=0.56

即ちフルード数0.56に於いてラストハンプとなる。(下図参照)

 

速力と波形

010-3.gif

 

フルード数と造波抵抗

010-4.gif

 

 

 

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