3.3 静的試験
1) 二次接着継ぎ手の静的3点曲げ試験
前回、Lシリーズのロングスパン試験片による静的4曲げ試験は、二次接着部で壊すことを目的に行った。また、試験片の二次接着部を試験治具が拘束しないで曲げ試験を行うため、試験片がかなり長くなってしまい、破壊までのたわみが大きく、最終的に壊れないものがでてきた。
今回、同じロングスパン試験片を破壊させることを目的に通常の静的3点曲げ試験を行った。スパンは140mmとし、板幅、板厚寸法について、接着部が厚さ方向に不均一なため試験片の中央部とした。結果を表3-3-1、図3-3-1に示す。
2) 所見
破壊強度は、荷重曲線の最大値から求めた。基本母材(L1)については21〜22kgf/mm2と従来のチョップドマット(M)/ロービングクロス(R)交互積層のFRP板とほぼ同等の値を得た。次に、二次接着材(L2、3、4)の破壊までの過程について、表曲げ(写真3-3-1)は、先ず引張り側のマット層が壊れ、そのマットと内側のローピング層の層間剥離が進展し、荷重は徐々に低下する。次のローピング層が破壊する時が最大で、以後、同じことの繰り返し破壊が起こり荷重は低下していく。裏曲げ(写真3-3-2)は引張り側の母材突き合わせ補強マットが壊れるまで荷重は上がり、この部位が破壊すると荷重は一気に1/2程まで低下し表曲げ比較して脆性的(図3-3-3参照)であった。その後、母材のテーパー面に沿って剥離破壊が進展する挙動を示した。