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3.2 ショートスパン層間せん断疲労試験

FRP積層板のショートスパン3点曲げ法による層間せん断疲労試験は、JIS-K-7057(ガラス繊維強化プラスチックの層間せん断試験法)に準拠して行った。

1) 試験片及び試験法

(1) 試験片

試験片は、継ぎ手接着の種類によりS-1、S-2、S-3、S-4の4種類、試験片の表(U)と裏(L)による2種類の計8種類とした。各試験片の製作手順は次のとおりである。

 

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(2) 試験方法

層間せん断疲労試験は、JIS規格のショートスパン層間せん断試験法に準拠し、図3-2-1に示すように支点間スパン50mm、繰返し数は5回/毎秒、写真3-2-1に示すように試験片中央に繰返し荷重を加えて行った。それぞれの荷重設定は、前回行った静的層間せん断試験結果から、破壊荷重の平均値を基にして、各試験片の板厚、板幅のばらつきを考慮し、静的破壊荷重の90%、80%、70%、60%、50%、40%の6段階とした。また、繰返し数の上限は、100万回を限度とした。

2) 試験結果

試験結果を表3-2-1〜4、図3-2-2〜5に示す。写真4-2-2に示すように試験片の破壊様式は、100万回まで試験を行っても壊れなかったものを除き、全て板厚部のロービングクロス層とチョップドマット層で、せん断破壊した。しかし、二次接着層での破壊は起こらなかった。ただし、表中の#印は、荷重設定中に破壊したもの。*印は試験中に試験機が緊急停止したもの。@印は試験機操作ミスにより破壊したものを示す。

3) 残存強度試験結果

残存強度試験は、せん断疲労試験を10の6乗回まで行っても破壊しなかった試験片について静的せん断試験を実施し、残存強度を求めた。結果を表3-2-5、図3-2-6に示す。

 

 

 

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