不許複製
まえがき
我が国におけるFRP船造船業は、過去二十数年の間に、建造量の急激な増加をみるとともに船種・船型の多様化及び大型化等に目ざましい進歩を遂げ、今や小型船の分野では、確固たる基盤を確立するに至っています。
しかしながら、反面、歴史的に日も浅く、造船技術において、未熟な経験や他社の模倣の域を脱していないものが少なくないのが現状であります。
今後、FRP船造船業が新しい時代のニーズに即応していくためには、FRP船に関する適正な造船技術を身につけるとともにそれを現場にあって管理する技術者の存在が不可欠であります。
このため、当会では、FRP船に関する適正な造船技術の習得と管理技術者の育成を図るために、昭和61年度において、「FRP船建造標準工作法」を、昭和63年度において本書を作成、ここに二次接着に関するデータを追補し、第3版を刊行いたしました。
この修理標準工作法は、場合によっては、新造工事以上に慎重を要する修理工事について、安全性の確保を第一義とした修理標準を示したもので、修理工事の指針として、また、管理技術者の必携の書として大いに役立つものと確信します。
おわりに、本修理標準工作法の作成に当り、日本財団のご理解あるご援助に深謝するとともに原案の作成に際し、絶大なるご協力をいただいた委員各位、関係官庁、関係団体並びに関係造船所に対し心からお礼申し上げます。
平成11年11月
財団法人 日本小型船舶工業会
会 長 真 砂 忠 夫
