もともとNCフォーマットは、人:NCプログラマー/NC機械オペレーターが、加工手順をタイプライターのような手打ち穿孔器に打ち込んで、NC装置入力用の紙テープを作成する…目的が基礎になっており、文法は簡明である。
(1) 形状の表示
EIAの表示は、円弧と直線の始点と終点、円弧の中心又は円弧中心と半径で示す。コードでは、加工経路の座標をX・Y、円弧中心はI(X座標相当)J(Y座標相当)、円弧半径はRで表す。他に正+負-の記号を使うが、+は省略してもよく、数値では単位を揃え0.001mm=1パルスとしている。[図6.1.3 加工経路のモデル]で、上の図の座標値の単位はmm、下の表の単位はパルスなので、桁が違っている。
1mm=1000=1.と小数点で千桁を表現してもよい。以下このピリオッド付表示を使う。
[図6.1.4 円弧の定義]に示す円弧に対するプログラムは、
(a)については、G03 X20.Y-40.I-30.J-40.* 又はG03 X20.Y-40.R-50.*
(b)の完全円は、G02 I-30.J-40.*(X0,YOは省略)
となる。
ここまで見たような経路だけのプログラムであれば、差異は生じないが、切断動作が織込まれると、施工法や装置の特性が反映してくる。
(2) 切幅補正
切断仕上り線は、切溝の半幅だけ内側にずれるので、切断方向に対して直角に右か左にトーチ位置を寄せる必要があり、その補正量をD××で指示する。××は単位 0.1mmの数値である。
プログラムの上では、
G41 D13 G04 X………… G40
とする。G41:切幅補正、 D13:補正量=1.3mm、G40:補正解除である。
これはNC装置側の演算処理であって、上位のNCフォーマット作成システムの方で、補正計算がなされておれば、補正コードは当然に使うことはない。
(3) ドウエル
動作の停止時間を指示する機能で、プログラムG04 X60.は 60,000ミリ秒=60秒の停止を表す。この場面のXは座標軸の表示でないことに注意。